2006.11.09

アクセルとブレーキを
同時に踏んでいる状態

新会社法学習会開催

 10月31日(火)午後6時より、渋谷区立商工会館にて「新会社法学習会」が、世田谷税経センターの青木輝光税理士をお招きして、開催されました。
 新会社法自体は、今年5月からすでに施行されていて、改正のポイントとしては、有限会社の設立ができなくなることと、株式会社の設立要件が緩和され、類似商号禁止の廃止、資本金が1円から、また、取締役が一人でも設立できるなど変更がありました。そして、決算書の変更がなされ、「利益(損失)処分案」は、「株主資本等変動計算書」となるなど、パソコン会計をされている方は、新会社法に対応したものへとソフトを変更しなければならなくなりました。
 今回の学習会では、「交際費課税軽減」「定期同額給与」や「同族会社の役員給与の損金不算入」等の新会社法施行後の法人税法上の問題について学習しました。
「交際費課税軽減」については、今までは一人3千円以下とされていた飲食費が5千円以下の飲食費(役職員間の飲食費を除く)が損金算入(経費として認められる)となり、入力のさいには「交際費」ではなく「打ち合せ費」など「交際費」とは別の勘定科目にします。但し、この場合、領収書の他、相手先の名称、参加人数等を確認できる書類が必要となります。そして、これが適用されるのは平成18年4月1日から平成20年3月31日までとなっています。
「定期同額給与」については、「期首から3ヶ月以内に増額または減額改定された後の定額給与等で毎月おおむね一定であるもの」とされています。役員の給与については一度、決めてしまうと増減することはできなくなりました。つまり役員給与を増減した場合、経費として認められない可能性があります。役員の給与は、決算終了後に翌期の利益を見通して3ヶ月以内に決めなければならなくなりました。
「同族会社の役員給与の損金不算入」については、会社の利益と会社の代表(一般的には社長)の年間給与額を足した金額が800万円を超える場合が対象となります(詳細は渋谷民商までお問い合わせください)。
 今回の新会社法により、会社をつくる諸要件は緩和されましたが、一方では法人税法が改悪されています。この状態は、S副会長いわく「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態」です。新会社設立の際には以上の点をご考慮ください。

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2005.05.24

起業をされる方

 夢を実現することは素晴らしいことです。
 小さくてもいい、いつかは自分の店を持ちたい。
 私のデザインした服をみんなに着せたい。
 自分の才能を今の世で試してみたい。
など、いろんな夢を持って初めて事業主になる方も多いと思います。また中には会社にリストラ(いやなことばですが・・・)され、「なにクソ、負けるものか、いいチャンスだ」と一発奮起されている方もいるでしょう。
 しかし起業をするには、個人事業主であれ法人(有限会社、株式会社)であれ、事業を継続していくことは、努力、才能、健康、人脈、運、そしてある程度のお金が必要です。
 始める前にしっかりと事業計画を立ててください。
 Myカンパニー、(一人)であればいいのですが、Ourカンパニー(複数)でのスタートは、親しい友人でも後々、意見の対立でせっかくの事業がうまく行かなくなるケースがあります。各自の役割、万が一の時の責任は誰が負うのか、リスクの回避方法などをしっかり論議して明確にしておいてください。
 またお金の調達(借入金)は、いま政府が不良債権処理という大義名分の下で、各金融機関は正常な貸し出しが出来ない状況にあり、貸し渋りがひどく期待はできません。
 もちろん制度としては創業者への支援融資はありますが、創業時は実績が無いため代表者の個人資産、個人信用が重視されます。
 自己資金をしっかり準備してからのほうがやはり安心です。
 今の時代に自己資金が無いということは、独立は時期尚早だと考えたほうがいいでしょう。何とかなるだろうという気持ちは、これからの事業主にはタブーです。甘い気持ちでスタートしてはいけません。
 でも、夢は捨てないで下さい。
「サービスが先、利益は後」これは宅急便の生みの親、黒ネコヤマトのヤマト運輸を育てた小倉昌男氏のことばです。(著書 経営学より)
 一所懸命の姿勢は必ず、顧客や取引先に伝わります。


夢 実 現 の 成 功 を 祈 り ま す。


法人の種類


 代表的なのは株式会社と有限会社です。
 一般的に株式会社の方がランクが上のように思われますが、一概そうとはいえません。
 金融機関の融資審査でも組織形態は評価の対象になりません。あくまでも中身が勝負です。
 最初は、「カンタンに、オヤスく」を望むのであれば有限会社をお勧めします。
 最近は、資本金1円でも法人設立ができますが、これは設立時に資本金の準備が5年後に延期されただけのことです。はたして1円の資本金の会社に日本の金融機関が,融資をするでしょうか?また、あなたがこの会社と取引をする場合、何の不安も無く取引を開始しますか?

会社の比較表

株式会社有限会社合名会社合資会社
出資者の数1名~無制限1名~50名2名~無制限2名~無制限
出資者の呼称株主社員社員無限責任社員
有限責任社員
最低資本金額1000万円300万円規定なし規定なし
出資者責任範囲出資金額内出資金額内債務金額(1)無限は債務金額
(2)有限は出資金額内
出資分の譲渡原則自由社員間は自由会社員の承諾があれば譲渡可能無限責任社員の承諾により可能
出資分譲渡の制限定款で制限する社員総会の承諾事項とする同上同上
経営者の数取締役3名以上
監査役1名以上
取締役1名以上
監査役は任意
全社員が経営者無限責任者が経営者
役員の任期取締役2年
監査役3年
定款で定める無期限無期限
会社の代表者代表取締役1. 取締役
2. 代表取締役を定めても良い
1. 社員
2. 代表社員を定めても良い
1. 社員
2. 代表社員を定めても良い


許認可制度


 事業を始める前にあなたの業種は、役所への許可、免許が必要でないかを確かめる必要があります。代表的な業種を表にしましたので、参考にしてください。











業種申請先受付備考
飲食店
喫茶店
菓子製造業
乳製品製造業
宿泊業
知事保健所開業前に申請し許可をもらう
宝石販売店税務署税務署
古物営業(中古車、古本屋等)公安委員会警察署
風俗営業一般公安委員会警察署
美容院、理容院知事保健所開業後届出・免許必要
クリーニング店知事保健所
一般旅行業国土交通大臣陸運局開業前申請登録資格必要
国内旅行業知事都道府県庁
宅地建物取引業知事都道府県庁開業前申請登録資格必要

法人設立までのスケジュール

 法人を設立するには、およそ次のような流れがあります。  専門家(司法書士、行政書士)に頼まなくても、自分でやる方法もあります。もちろん初めてのことですから、何度も失敗を繰り返すことになるかもしれません。  しかしお金を節約したいというなら、ひとつの方法と覚えておいてください。やはり外注したいという人は、民商の会員さんの中に司法書士、行政書士を営んでいる方がおりますのでご紹介することが出来ます。

設立の流れ

手続き内容
1社名をノミネート 1.社名の前か後に株式会社、有限会社の文字を必ず入れる
2.日本の文字を使う (アルファベットは使えない)
3.銀行、信託の文字は使えない。
2類似商号の調査本店所在地を管轄する法務局で、商号を調査(窓口で必ず相談することをお勧めします)
3会社の内容を決める 1.会社名(   )は有限会社
2.事業内容
3.本店所在地
4.資本金
5.発起人(出資者)の決定
6.役員の候補者を選ぶ
7.事業年度の決定
8.取扱銀行を決める。保管証明者を発行してもらう銀行ですがどこでも快く受けてくれる訳ではありませ んので、まずは自分の口座がある金融機関ヘ事前に打診しておいてください。
4会社の印鑑を作る代表者の印を作成する
5印鑑証明書の準備(個人の印鑑証明書) 1.発起人全員 (各2通)
2.代表取締役就任予定者は(4通)
6定款の作成 これは会社の憲法。上記3の内容を正式書面とする。
7定款の認証を受ける公証人役場で認証を受ける。3通提出。
8出資1.金融機関に株式の払込、(出資金の払込)
2.保管証明書を発行してもらう。
9取締役、監査役の選任定款に記入
10取締役会の開催取締役会議事録により、代表取締役を選任
11取締役、監査役の調査調査書により設立について不当事項の無いことを確認する。
12登記申請書の作成1.登記申請書
2.コンピューター処理の用紙にワープロで登記事項を打ち出す
3.定款
4.株式の引き受けを証する書面
5.株式払込金保管証明書
6.就任承諾書
7.取締役会議事録
8.取締役、監査役の調査書
9.代表取締役個人の印鑑証明書
10.代表者印の印鑑届書
11.登録免許税貼付台紙

諸官庁への届出

 法人を設立しますと税金関係、社会保険関係、労働保険関係の届出が必要になります。  狭義の意味で社会保険は健康保険、厚生年金、労働保険は労災保険、雇用保険をいいます。  法人であればすべてに加入することが義務付けられていますが、実際のところ保険料と収益との兼合いで法人でありながら加入していない事業所はたくさんあります。保険料率は、健康保険8.5%(労使折半)、厚生年金17.35%(労使折半)、労災保険0.55%(全額使用者負担)、雇用保険1.55%(労0.6%、使0.95%)となっており、健康保険、厚生年金が極めて高いのがわかります。  大不況のためますます社会保険料の滞納が増えています。すべてに加入できなくとも労働保険料(労災保険と雇用保険)はまだ低額であり、事業主も安心して雇入れができ(万が一業務上の事故はカバーされる)、労働者も安心して働く(失業になっても基本手当がもらえる)ことができますから必ず加入されることをお勧めします。

(1)税務署への届出

(用紙は税務署でもらえます)
提出書類 添付書類提出期限
1.法人設立届出書1.定款の写し
2.登記簿謄本
3.社員名簿の写し
4.設立趣意書
設立の日から2ヶ月以内
2.法人青色申告の承認申請書 1.第一期年度内
2.設立の日から3ヶ月以内
(1、2のうち早い期日)
3.棚卸資産の評価方法の届出書
4.減価償却資産の償却方法の届出書 第一期の確定申告提出期限
5.給料支払事務所等の開設届出書 事務所開設の日から1ヶ月以内
6.源泉所得税の納期特例の承認に関する申請書 特例を受けようとする月の前月末まで

(2)都道府県・市区町村への届出

(用紙は各自治体でもらえます)
提出先提出書類 添付書類提出期限
都税事務所事業開始等申告書1定款写し
2登記簿謄本
事業開始の日から15日以内
県税事務所法人設立届書会社設立の日から1ヶ月以内
市区町会社設立の日から2ヶ月以内

(3)労働基準監督署への届出

(労災保険の手続き。職安より先に行く)
提出書類 添付書類提出期限
就業規則常時10人以上の労働者が稼動した日
労働保険関係成立届謄本、賃貸契約書ほか労働者の採用から10日以内

(4)公共職業安定所への届出

(雇用保険の手続き。労基署の後に行く)
提出書類 添付書類提出期限
1.雇用保険的適用事業所設置届 1.登記簿謄本
2.労働者名簿
3.賃金台帳
4.出勤簿
雇用保険の適用事業所となった翌日から10日以内
2.被保険者資格取得届

(5)社会保険事務所への届出

(健康保険、厚生年金の手続き。申込書は社会保険事務所でもらえますが、事前に相談したほうがいいでしょう。)
提出書類 添付書類対象者に関する書類
1.新規適用届
2.新規適用事業所現況届
3.被保険者資格取得届
4.被扶養者届
1.登記簿謄本
2.保険料口座振替
3.賃貸契約書
1.出勤簿
2.労働者名簿
3.賃金台帳
4.源泉所得税の領収書

起業家へ支援

 いま国からの助成金、給付金の種類は数多くありますが、いざ手続きをするとなると煩雑な上にピッタリあてはまるものは案外少ないのが現状です。厚生労働省関係の助成金は人の雇入れが条件(雇用保険に加入すること)です。  労働保険(労災、雇用保険)は、社会保険(厚生年金、健康保険)とは違い、安い保険料で労働者を保護できるので事業主さんにとっても安心な制度です。  あなたがこれから、法人を設立して起業をするのであれば、高年齢者等共同就業機会創出助成金や中小企業基盤人材確保助成金等が利用できます。  助成金は、融資とは違い返却しなくてもいいおカネですが、代わりに審査、手続きが煩雑です。しかし、設立時にタダでもらえるおカネは得がたいものがあります。  助成金の内容について簡潔に述べます。毎年のように内容に変更がありますので、細かく調査したほうが良いでしょう。ちょっとの勘違いで助成金がもらえなくなるケースは多く見うけられます。

●高年齢者等共同就業機会創出助成金

これはイチオシの助成金です。  法人設立時に満45歳以上の高年齢者等三人が、共同して法人を設立し、満45歳以上の労働者を1名以上雇用した場合、当該事業の開始後、6ヶ月間に要した設備費、運営費等いわゆる経費(事務所賃貸料、仲介料、礼金、ガス・電気・電話・水道料、パソコン購入費、机 椅子購入費などなど)の合計額の3分の2がもらえます。限度額500万円です。 ( コメント ) 高齢者等三人がポイントになりますが、方法はいろいろ考えられます。民商へ気軽にご相談ください。また法人を設立したあとでは、これは利用できませんので必ず法人設立前にご一報ください。ここが一番の注意点です。 人件費は対象外ですが、助成額を逆算すれば6ヶ月で750万円の経費に対して500万円がもらえる訳ですから、事業の立ち上げ時には大変助かります。  例えば会員さんのAさんは、エコ洗剤の通信販売の事業を始めようと考えていましたが、法人を設立前に相談にみえこの助成金を申請しました。毎月、新聞や雑誌への広告料が経費の大きなウエイトを占めておりましたが、事業開始して計画申請を行い、6ヶ月後にこの助成金を請求して助成金500万円が入金になりました。資金繰りに労せずスムーズに立ち上げることができ今は事業も軌道にのってきました。

● 中小企業基盤人材確保助成金、同じく能力開発助成金、管理改善助成金

 創業・異業種進出や経営革新のために基盤になる労働者を雇い入れた場合、5人を限度として1年間の賃金の一部に相当する額として、一人140万円(5人を限度)。これを基盤人材とよび他に一般人材の雇入れでは30万円ももらえますが、一般人材は、基盤人材を雇入れなければ、条件が成立しません。つまり、一般人材だけの雇入れではもらえないということです。少し前に「中小企業雇用創出人材確保助成金」がありましたが、これのバージョンアップ版です。審査基準のバーが以前より高めになっていますので、あたり前のことですが、労働者の雇入れや帳簿関係の書類などがキチンと整備されていなければなりません。  他にも助成金の種類は、たくさんありますが創業者への助成金は、トーンダウンしているようです。

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