2005年5月24日 (火)

多重債務の相談

多重債務の整理


 同じ境遇の方たちで会を作って、励ましあいながら解決を図っています。できるだけ自己破産せず、 好きな商売を続けながら、無理なく返済をするということを基本にしています。
 例えば、裁判所へ(特定)調停を申し入れ、公の場で解決を図ります。調停にかけることによって取立て行為はストップします。また、高金利に対しては、利息制限法で計算をし直させます。
そうすると大抵は負債額が大きく減ります。脅迫的・乱暴な取立てがあれば、監督官庁へ訴え出て止めさせます。

※私たち渋谷民主商工会は、中小企業の経営者の団体です。その他の方のご相談は、お断りいたします。

[利息制限法]

 利息についての基本的な法律で、下記の利率を超える利息の超過分は無効と決められています。ただし、違反しても罰則はありません。
◆ 元金10万円未満        :年利息20%
◆ 元金10万円以上、100万円未満 :年利息18%
◆ 元金100万円以上        :年利息15%
これを超えて払った分は、元金に充当できる。(最高裁昭和38年11月18日判決)過払い分は不当利得として返還請求できる。(最高裁昭和43年11月13日判決)

[出資法]

 貸金業者が年29.2%を上回る利息を約束したり受取った場合は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金。(2000年6月1日から改定、以前は年40.004%)
※ 高金利がはびこる社会をなくすために、出資法、利息制限法の上限金利をさらに引き下げさせましょう。
※ 街金・ヤミ金業者の中には、表向きは出資法の年利29.2%を守っているように見せかけながら、実際には、調査料、手数料などの名目でそれを上回る金利を取っています。このような脱法行為はどんどん摘発してやめさせましょう。

<悪質取立ての規制>
「債権の取立てに当たって、人を威迫し又はその私生活もしくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならない」(サラ金規正法21条1項)
(具体例)
●正当な理由なく、午前8時以前、午後9時以降その他不適当な時間帯に、債務者・保証人などに電話などで連絡したり、訪問したりすること。
●多人数で訪問したり、大声をあげたり、乱暴な言葉を用いたり、暴力的な態度をとったりすること。
●反復または継続して債務者や保証人などに電話で連絡をしたり訪問すること。
●債務者や保証人などの勤務先を訪問し、債務者や保証人の立場が不利益になるような言動を行うこと。
●自己の債権の回収を図る目的で、他の業者からの借り入れまたはクレジットカードなどの使用により弁済を要求すること。
●債務者や保証人が調停申立てなど訴訟手続きを取ったことを通知した後に、正当な理由なく接債権の取立てを行うこと。(大蔵省通達昭和58年9月30日付)
※相手方の悪質な取り立て行為に対しては、写真や録音などで証拠を取っておくようにしましょう。

債務整理の方法には、
■任意整理
■特定調停
■個人再生手続き
■自己破産 などがあります。

[任意整理]

任意整理とは、債務の返済計画を立て、債権者の同意を得て、返済して行く方法です。任意整理には、
(1)債権者個人が債権者と直接交渉する場合
(2)弁護士に委任する場合
※(2)の場合には、債務者に対する直接的な取り立て行為は禁止されています。

[特定調停]

簡易裁判所へ特定調停の申立てを行い、公の場で債務整理をします。債権者に対して、取引経過の開示など関係文書の提出を求めることができます。 また、申立てをすることによって、債務者への直接取り立て行為が禁止されますので、債務者は落ち着いて仕事を続けながら、債務整理ができます。また、利息制限法で計算をします(これを超えて払った金利は、元金を返済したと見なされる)から、たいてい、債務は大幅に減ります。
<申立ての手続き>
 原則として、相手方の住所地・営業所を管轄する簡易裁判所です。 東京の場合は、「東京簡易裁判所」(地下鉄、霞ヶ関駅下車、B1出口徒歩1分、合同庁舎6館内) 「申立ての趣旨」、「紛争の要点」、「生活状況」を書いて提出します。 ※書き方については、「受付相談センター」で親切に教えてくれます。
<必要書類>
「借受金の額と返済状況」、「申立て人の資産(不動産、預貯金、自動車等)、負債」、「生活状況(家計簿)」、「債権者(会社名、住所、代表者名、担当者名)一覧表」 ※債権者が会社の場合、登記簿謄本を添付するように言われますが、面倒で、お金もかかるで、その時は、担当者個人を「相手方」にします。
<申立て費用>
収入印紙、代納郵券、コピー代で1社1000円位です。
<調停のやり方>
調停委員立会いのもと、債権者に対し、自分の生活を守りながら、可能な返済案を提示して交渉します。具体的なノウハウについては経験者の参加する「いちょう道場」の場で、実践例をお話ししますので、ぜひ道場に参加してください。
【参考文献】
『債務者のためのサラ金調停必勝法II』[新訂版 特定調停](司法書士調停研究会)

[個人再生]

2001年4月から施行された「小規模個人再生手続き」では、無担保債務総額(住宅ローンを除く)が3千万円を超えないで、将来において継続的収入が見込める者は、債権者の消極的な同意を得て債権の5分の1か100万円の多い方(上限300万円)を原則3年間で弁済して、残りを免責してもらうことができます。
<手続き>
債務者の営業所、住所地を管轄する地方裁判所に申立てをします。その際、債権者一覧表、その他の書類を提出します。また、裁判所の定める費用を予納しなければなりません。
【参考文献】
『破産によらない個人の民事再生Q&A』個人民事再生研究会編集(法律情報出版)・『個人債務者再生手続き実務解説Q&A』木村達也、宇都宮健児、小松陽一郎篇(青林書院)

[自己破産]

任意整理や特定調停も困難な債務を抱えた人にも再出発の機会を与える最後の制度。債務者が経済的に破綻し、全ての債権者に債務を完全に弁済できなくなった場合に裁判所の「破産宣告」を受け、債務者の全財産を金銭に換算して、全ての債権者に返済する。これをもってそれまでの債権・債務関係を終了させ、債務者の生活の再建をはかる制度。破産申立ては債権者、債務者の双方からできるが、債務者自らが申し立てるものを「自己破産」と呼びます。
<破産手続き>
1 申立て
(1)破産申立書を申立人(債務者)の住所地の地方裁判所に提出。
(2)破産申立書は裁判所にあります。
(3)添付書類:住民書、戸籍謄本、委任状、陳述書、資産目録、負債の状況(債権者一覧表)、家計の状況(収入、支出)、預金通帳、生命保険証書、家屋賃借契約書の写し土地・建物登記簿謄本など。
(4)費用:収入印紙600円、予納郵券4000円、破産予納金(同時廃止:2万円、負債が五千万円未満の管財人選任:50万円、小額管財事件:20万円)
2 審理(審尋)
 裁判所は申立てが適法になされたかどうか、書面または口頭で審理のうえ判断する。通常、申立てから2、3ヶ月後に審理。
3 破産宣告
破産は、宣告の時からその効力が生じる。裁判所は官報に掲載・公告し、本籍地の市町村役場、全債権者に通知。
4 配当手続き
 債務者が、不動産、株式、預貯金など一定の財産をもっている時は、破産宣告と同時に「破産管財人」を選定します。破産管財人は破産者の一切の財産を差し押さえ、これを売却して金銭に換え、債権者に債権額に応じて公平に配当します。
5 同時廃止
 破産者の財産が極めて少ない場合には、破産宣告と同時に「破産廃止」の決定がなされす。不動産をもたない破産者の場合はこれにより破産手続きが終了します。
6 免責
 自己破産の申立てをして、「破産宣告」を受けただけでは借金はなくならず、「免責」決定が下りて初めて借金がなくなります。(法人破産の場合は破産=免責)申立てをしてから2、3ヶ月で免責審尋がなされます。 免責決定をした裁判所は、その旨を官報に掲載・公告します。その日から2週間経過すれば、免責決定が確定します。免責決定が確定すると、債務者は一部の債務を除き、債務の支払いを免除されます。(免除されない支払い:租税、雇用人の給料、罰金など)免責決定が確定すると、破産者の地位にあった人は、「復権」して破産者でなくなり、公私の資格制限から解放されます。
<免責不許可事由>
免責が認められない場合。
(1)破産者が財産を隠したりした時。
(2)浪費や賭博で財産を失ったり、負債を作った時。
(3)破産宣告1年前に、破産原因の事実があるのに、無いようにみせかけて信用取引で財産を取得した場合など。
<自己破産による不利益>
(1)公法上の制限:宅地建物取引業者、生命保険募集員、損害保険代理店、警備員、建設業者、風俗営業所の管理者などになれません。
(2)私法上の制限:(民法)代理人、後見人、遺言執行人などになれません。(商法)株式有限会社の取締役、監査役になれません。
<破産宣告に関する誤解>
 破産宣告を受けても、それが戸籍や住民票に記載されることはありませんので、子供の就職や結婚に支障はありません。また、裁判所から勤務先の会社に通知が行くわけでもありません。 万一、破産宣告が会社に分かった場合でも、それを理由に会社が解雇することはできません。破産宣告後に得た収入は、原則として自由に使えます。戦前は公民権が停止されましたが、現在では選挙権、被選挙権などの公民権は停止されません。
【参考文献】
『サラ金・商工ローン・日掛け金融 絶対借りるな!―自分でできる自己破産と借金整理法決定版』全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会編(本の泉社)

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