2006.02.01

高利貸金業者を次々に裁判で破る

 年末から新年にかけて高利貸しを相手にした裁判で相次いで勝利したという報道がありました。第一は、サラ金最大手の武富士を完膚なきまでに打破った裁判です。
 武富士は、武富士被害者救済の先頭に立ってきたK弁護士(女性・釧路)に昨年来、悪質極まりない嫌がらせで約600件に及ぶ訴訟を東京地裁に起してきました。「クレサラ対協」の新年総会(1月7日)では次のような素晴らしい報告がありました。「K弁護士をはじめ武富士対策弁護団が起した反訴で武富士側は、今弁護士に1千万円を払って降参、600件の裁判はすべて取り下げるという全面勝訴の報告は痛快なものでした」(『あざみ』№258)
 第二は、シティズ(アイフルの子会社・サラ金ではなく自営業者向けの商工ローン会社)を逆転で打破った13日と20日の最高裁判決です。朝日新聞では次のように報道しています。「消費者金融などの契約に『返済が滞れば一括返済する』との特約がある場合、業者が利息制限法の上限を超えた利息を受取れるかどうかが争われていた訴訟の上告審で、最高裁は13日『特約は借手に高利を事実上強制するもので超過利息は受領できない』との初判断を示した。借り手側に有利な司法判断となった。貸金業界では同種の特約が一般的で、超過利息を受領している業者が大半。判決により現状のままでは超過利息受領がほぼ不可能となり、業界に重大な影響を与えそうだ」これをうけて1月15日付朝日新聞は灰色金利(「グレーゾーン」利息制限法〔100万超の貸出では15%〕と出資法〔29.2%〕の差)について「判決を機に禁止せよ」という社説を発表しました。
 第三は、高利の「日掛け金融」をやはり逆転で打破った最高裁判決です。「日掛け金融」とは、日銭が入る飲食店・小売店などを対象にした貸金業者です。ほぼ毎日貸付先に出向いて集金することが出資法で定められており、回収コストなどを考慮して54.75%までの高利が認められています。「日掛け金融」をめぐっては高金利を背景に脅迫まがいの取立てなど強引な回収が社会問題化しました。この裁判は「『日掛け金融』業者に対し債務者が利息制限法の上限金利を超える部分の返還などを求めた2件の訴訟の上告審判決で最高裁は24日『高利の特例が認められるには契約内容だけでなく実態面でも法律の要件を満たす必要がある』との初判断を示しました」(「赤旗」1月25日付)
 「再び増加傾向にあるヤミ金にたいしてはヤミ金対策法を駆使して毅然と、サラ金や商工ローンについてはこうした判決を生かして敢然と、立ち向かう。あわせて、今年は国会要請など金利引下げの大運動を起していくことが必要な年だと考えます」(Nいちょう道場長)

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2005.12.14

渋谷民商がドラマの舞台に!

 みなさん、渋谷民商は、金曜エンタテイメント(フジテレビ・夜9時からの2時間番組)のスタッフから取材を受けました。ドラマの原作はH.H氏のノンフィクション『妻は多重人格者』(集英社・1680円)です。ストーリーはこうです。
 H氏(映画監督)は妻(湿布剤会社経営)と子ども3人の平凡な家庭生活を送っていた。ところがある日、サラ金やヤミ金から請求を受けるようになる。妻に問いただしても知らないという。しかし、取立人が示した契約書は明らかに妻の筆跡であった。しかし、嘘を言っているようでもない。やむを得ず数社返済するが、次々に別の業者が返済を求めてくる。電話や訪問による激しい取立てを前に、一家は友人宅に身を隠すが、そうもしていられないと弁護士に相談、妻の自己破産を決意する。徹底的に請求書を調べ上げると業者は100件近くに達した。もうこれ以上の負債はないと確信し破産申請中、また新たな業者から請求が届いた。弁護士は「こんな依頼者の相談はのれない」と辞任。激しく妻を叱責するH氏に妻はこれまで家族に見せたことがない不敵な表情を浮かべた。ヤミ金から借りまくった別人格の恐ろしい妻がそこにいた。
 H氏は最後の力を振絞って多重人格に詳しい精神科医に相談する。弁護士も投げ出すヤミ金の問題では、これと正面から闘っていた「ミンショウ」という団体があることを知人から知らされた。02年6月、H氏は渋谷民商のドアをたたいた。こうして、死を一度ならず決意したHさん夫妻の多重人格・多重債務の問題は解決へむかって大きく動き出す。
 これ以上は書けません。後はドラマを見てください。これはすべて本当の話です。三月頃放送予定で、主役のH氏を演じるのは高嶋政伸です。最後に制作会社スタッフからのFAXとNいちょう道場長の感想を掲載します。
「渋谷民主商工会 O様 お世話になっております。台本が出来上がりましたのでお送りいたします。ドラマの設定上、主人公のHさんの職業を美術専門学校講師に、『渋谷民主商工会』を『若木の会』とさせていただいております。お忙しい中ご協力いただきありがとうございます。共同テレビ 助監督S」
「11月28日共同テレビジョンの取材が民商事務所でありました。当日、N及び杉並民商に行かれたWさんが、助監督Sさん(女性)に出資法と利息制限法の関連、ヤミ金が債務者に強要する書類の内容や警察の対応についてお話しました。私たちの運動によって、現在ではヤミ金対策法ができ、警察の取締りも厳しくなっています。しかし、Hさんと出会ったあの頃は、ヤミ金と対峙していたのは代々木法律のような弁護士さんと私たち民商だけでした。そして、民商事務所にはくる日もくる日も助けを求めてヤミ金被害者であふれかえっていました。人格が統一されたHさんの奥様Jさんはその後、見事に立ち直り、相談員として被害者の救済活動に参加するようになります。被害者に代わってヤミ金と厳しく交渉する姿は今でも印象に残っています」(Nいちょう道場長)

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2005.03.30

いちょう道場三役揃い踏み

ヤミ金と大バトル!
 渋谷民商に相談に来る多重債務で苦しんでいる方の頼もしい仲間、それがいちょう道場です。
 ここ数年は相談者がかなり減っていますが、まだまだ一人でも苦しんでいる方が大勢いる筈です。一日も早くいちょう道場へ駆け込んで欲しいのですが。
 確定申告で大忙しの三月、輸入品の販売をかなり手広くされ、オシャレな店舗を構えているTさんが意を決して渋谷民商に電話をくれました。Tさんは資金繰りで行き詰まっていた昨年末、「普通のノンバンク」と思って手を出したのが実はヤミ金でした。そしてこのヤミ金への返済のため、また別のヤミ金へ借入に行き件数はあっというまに14社に拡大していきました。応対したN道場長は、小切手を渡しているヤミ金対策を急ぐ必要があるが、本質的には銀行・商工ローン、サラ金に手をうたないと事業そのものがもたないと判断しました。そしてTさんを、次の日事務所に来てもらうと同時に、いちょう道場の臨時開催を通知したのが3月9日でした。
 道場長のNさん、副道場長のOさん、そして一番の猛者のNさんと、三役揃い踏みで、Tさんからの聞き取りを行いました。銀行対応・商工ローン対応を手早く決定し、サラ金・クレジット10社の特定調停への準備を終わらせた後、圧巻のヤミ金14社への電話交渉を三人で分担して開始しました。
 百戦錬磨のN道場長は「アンタは弁護士じゃないんだから引っ込め」というヤミ金に「では警察でお目にかかりましょう」というと最後は「先生、まあそういわないで」ともみ手の対応に。法律に詳しいOさんは「ヤミ金対策法では懲役5年、罰金は1千万円になっている」と条文を紹介。Nさんは「小切手を振り込んでTさんが不渡りを出せばあなたの貸付金は戻らないよ」と切り出しました。約一時間の激しいやりとりで、ヤミ金9社の残り265万(元金)を108万円で話し合いをつけ、3社とは0和解をすることができました。残る2社に対しては過払い分の返還請求を継続して行なっていくことにしてこの日の取り組みは終了しました。Tさんが毎月支払ってきたヤミ金14社への利息160万円はこの交渉でとりあえず回避されることになりました。
 今後は、①ヤミ金の整理、②サラ金・クレジットの特定調停手続き、③商工ローン・銀行対策を視野に入れての事業再建プランの検討の三本柱をいちょう道場と一緒にすすめていくことになりました。Tさんのお顔が明るくなったように感じました。

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2004.11.02

多重債務者は被害者である

全国クレサラ・商工ローン・ヤミ金
被害者交流集会

 第24回全国クレサラ・商工ローン・ヤミ金被害者交流集会in千葉『多重債務社会を突き崩せ』~集めよう全国の知恵と勇気~が去る10月30・31日に千葉県幕張メッセ国際会議場で開催され、全国から千二百名を超す参加がありました。渋谷民商からは、私、N(上富西)が出席、以下は、その報告です。
 大会一日目第一部、全体会議では、弁護士及び司法書士の代表による現状報告、取組み方そして諸問題の根底にある行政のゆがみを指摘。続けて、被害体験報告があり、実際の被害者からの生々しい悲痛な叫び、笑顔を勝ち取るまでの戦いの道しるべ、協力者への感謝の気持ち、今後の決意が述べられ、会場内を感動させました。また、「武富士」と戦うフリージャーナリストの三宅勝久氏が戦いのエピソードを話され、笑いの中にその戦いのすごさを感じ取りました。
 そして、『年収300万時代を生き抜く経済学』の著者であり、テレビ朝日「TVタックル」で活躍の経済アナリスト森永卓郎氏の講演「弱肉強食社会の到来とクレサラ問題」があり、現在のデフレ政策が間違いなく弱肉強食のアメリカ型経済構造社会に向かって行くとの指摘と、弱者が必然的に進む、クレサラ問題を含む、歪んだ金融政策の犠牲者への道が話されました。
 第二部の分科会(20分科)は、第16分科会(商工ローン等被害者交流)に出席し、全国の民商・道場の方々との報告・検討会では熱心なディスカッションになり、東京では聞けない、地方での事例や対策もあり大いに参考になりましたが、やはり調停を有効活用した解決手段が大きなテーマでした。この分科会では、次の三項を決議。①銀行等の金融機関は、貸し渋り・貸しはがしをやめ、必要な事業資金を融資すること。②全国の簡易裁判所は、特定調停の手続きについて、特定調停法の趣旨にのっとった運用を徹底すること。特に取引履歴の開示を徹底すること。③国会は貸金業規正法43条を廃止し、利息制限法の制限金利を引下げること。
 大会二日目、「保証人問題」「特定調停問題」「サラ金・ヤミ金問題と生活保護」をテーマに三人の講師による、それぞれの問題点・対策・今後の動向・活動指針が報告され、大きな社会問題として取組むために大きなエネルギーが不可欠であると再認識し、13時閉会、二日間にわたる交流集会を終了しました。
 今回の全国大会に初めて出席できましたが、日ごろ、多重債務問題に直接対面し、自分の経験をもとに、一人でも多くの方の力となるように活動していますが、ややともすると、目前の対策のみに目が向き、この問題の本質を見失いがちですが、根本からの解決すべき大きなテーマを再認識しました。
「多重債務者は被害者である」①借入に至るまでの被害②借入段階での被害③取立段階の被害④その後の生活被害、の四段階の被害があります。①は、高利で借りなければならない金融政策、大量消費社会、借りることに抵抗を感じさせないCM、営利目的の広告を規制しない行政など。②は、違法な高利で金策で苦しむ状況、高利を規制しない立法・行政など。③は、なぜ、死まで追いやれるのか、取立は債権回収の名を借りた人権侵害であるなど。④は、被害者を救済できない制度。生活保護等の不十分な運用など。
 これらの被害を生じさせる大根幹に現在の行政の歪みがあり、間違いなく、規制緩和・行政改革・デフレ政策に名を借りた、弱肉強食社会へと向かう「無策丸」の方向を変えるため、我々一人ひとりが力を集結させて、大きな運動を今こそ起こすべきだと痛感しました。この大会に出席できて本当によかったと思いました。
N(上富西)

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