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2006年5月31日 (水)

「消費税の分割納付と延滞税が減免になって嬉しい」

会員さんが「納税猶予申請書」を提出


 消費税の免税点引下げでこの春、初めて消費税申告をしたのは157万6千人です。この消費税納税者の一体何割が苦労なく納税できたでしょうか。「定期預金を解約した」(居酒屋)、「運転資金名目で信金から借りて支払った」(スナック)。「膨大な滞納を招く」と問題提起したのが湖東京至税理士(関東学院大学法科大学院教授)です。

消費税納税者の実に三割が払えず滞納に


「現在、滞納増加率の第1位は消費税です。平成14年分の新規発生滞納件数は60万件で滞納税額は5342億円、消費税収入の6・6%になります。60万件という滞納業者数は消費税の納税事業者202万のおよそ30%にあたります。膨大な滞納税金、滞納件数です。
 しかもこれは平成14年分で免税水準が3千万円の時のものです。平成17年から免税点が1千万円に引き下げられ、新たに150万人の零細事業者が納税義務者になります。その結果、消費税の滞納件数や滞納税額はどのくらいに増えるのか、はかり知れません。
(税務署が年一度あるいは半期の中間納付を改め)毎月納税制にしたとしても完全に消費税を価格に転嫁でき、納める税金の準備ができなければ事業者は滞納せざるを得ません。従業員の給料や下請への支払い、銀行への借入金の返済、これが先です。いったい事業者のうち人件費の支払いをさておき、消費税を先に納税しようという人がいるでしょうか。
 消費税の滞納問題は政府・国税当局も頭を痛めています。政府は毎月納税方式を導入したり、国税当局はポスター作戦や生命保険を解約させたり、不動産や売掛金を差し押さえるなど、滞納一掃に必死です。とくに『消費税は預り金』なのだから預ったものを納めるのは当たり前だといいます。はたして消費税は『預り金』でしょうか。いいえ違います。消費税は『預り金』でも『預り金的税』でもありません。事業者は消費税を預ったことは一度もないのです。これは裁判の判決ではっきりしているのです。東京地裁と大阪地裁の二つの判決は言います。『消費者はたとえレジペーパーに外税で消費税3%と打ってあってもそれは消費税ではなく物価の一部である』と。この解釈は裁判所だけでなく、被告である政府税務当局も主張したものです」(パンフ「恐るべき大増税計画」)

「納税猶予申請書」を提出


 各地の民商は「消費税が払えない」という相談を受け「納税猶予申請書」を提出し、納税の分割納付や延滞税の減額免除に取組んでいます。渋谷でもAさん(飲食店)から「どうしても即金での納税はできない」という相談がありました。Aさんの消費税額は40万円余りですが、①店を手伝っていた娘さんが昨年大病し3カ月の入院を余儀なくされ医療費が消費税額ほどかかった、②今年に入っての店の売上は昨年の半分近くに減少した、③店舗造作で最近借入を起しており追加融資は受けられない、と語りました。いつも強気のAさんですが、さすがに肩を落としています。相談を受けた民商は、このAさんの状況は「納税の猶予」制度を定めた国税通則法の規定にあてはまると話し合いました。
 同法第46条2項「税務署長等は、次の各号の一に該当する事実がある場合において、その該当する事実に基づき、納税者がその国税を一時に納付することができないと認められるときは、その納付することができないと認められる金額を限度として、納税者の申請に基づき、一年以内の期間を限り、その納税を猶予することができる。前項の規定による納税の猶予をした場合において、同項の災害を受けたことにより、その猶予期間内に猶予をした金額を納付することができないと認めるときも、また同様とする」とし、「納税の猶予」の条件を定めています(条件として①納税者がその財産につき、震災、風水害、落雷、火災その他の災害を受け、又は盗難にかかつたこと。②納税者又はその者と生計を一にする親族が病気にかかり、又は負傷したこと。③納税者がその事業を廃止し、又は休止したこと。④納税者がその事業につき著しい損失を受けたこと。⑤前各号の一に該当する事実に類する事実があつたこと、が挙げられています)。
 Aさんは5月末、「納税猶予申請書」を作成し、渋谷税務署に提出しました。窓口の総務課がすでに徴収課の職員と連絡を取ってくれていました。担当職員との面接は一時間半に及びましたが、Aさんの訴えに、「あなたのお話の通りなら確かに一括納付は難しいでしょう」と職員は語りました。思いは届き、いくつかの書類を追加して提出すれば、①一年の分割納付を認める、②延滞税は減額または免除する、ことが了承されました。報告にきたAさんは大変喜んでいました。

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