税務署は法定外文書の提出強要を止めよ!
「収支内訳書」不提出の所得税白色申告の会員Mさん(飲食)に、4月以降、ハガキでの督促が2回、さらにこれに応じないと担当者名を記載した封書が1回送付されるという事件がありました。文書は次のとおりです。
<Mさんに届いた文書>
連絡票
M様 税務につきましては、日ごろからご協力いただき、ありがとうございます。さて、あなたの平成20年分所得税の確定申告につきまして、事業所得に関する収支内訳書についてお尋ねしたい事項がありますので、ご多忙中恐縮ですが、至急下記担当者あてにご連絡いただきますようお願いいたします。平成21年6月16日 渋谷税務署 担当 個人課税第5部門 ○○○○ 電話・・・」
こうした法定外文書への対応はどう考えるべきか。全商連のパンフ『日常的な自主計算活動を2009』では次のように解説しています。
「これまでも税務署は『収支内訳書』や法人事業者に『法人事業概況書』の提出を迫っています。また、各種『お尋ね』文書を頻繁に送りつけてきています。このような文書には法的な裏付けはなく、応じる義務はありません。
『お尋ね』乱発などは許されない
税務署の法定外文書の乱発や記帳確認・一斉調査では、①『行政指導の内容があくまで相手方の任意の協力によってのみ実現される』(行政手続法32条)こと、②税務調査の際『接触に当たって無用の心理的負担をかけない』(国税庁・昭和51年度税務運営方針)こと、を主張し、毅然と対応しましょう。
国税庁や国税局は、民商・全商連との交渉で『売上チェック票』『記帳アンケート』などについて『提出義務の法的根拠はない』『文書不提出による納税者の不利益はない』と応えています。
提出なしでも罰則はない
『収支内訳書』にどうこたえるかは納税者本人が決めること。提出しなくても罰則はありません。第101国会・衆参大蔵委員会(衆院1984年3月28日・参院同31日)は『零細業者に過大な負担を押し付けてはならない』という付帯決議を行なっています。
『収支内訳書』の提出を迫った事件で国税庁は『収支内訳書の未提出をもってあたかも税額控除が受けられないかのごとく間違った文書を送付した。今後こういうことがないように万全の指導に努めてまいりたい』(第161国会・衆院財政金融委員会2004年10月27日 村上喜堂国税庁次長)。
『収支内訳書』を消費税調査のための売上把握に流用することは許されません。『収支内訳書』は、提出制度の発案当時から課税強化につながる懸念がありました。これに対して当時の大蔵大臣は『大型間接税とは全く関係のない問題』(第101国会・衆議院本会議1984年3月9日 竹下登蔵相)と答弁しています。
『法人事業概況書』は、法人税法74条の規定を大きく踏み越え、税務署が知りたい情報をあれこれ書かせようとするもので、提出義務はありません。国税庁も『提出はお願い。未提出の罰則はない』(全中連交渉2006年10月25日)と回答しています。」
不利益な扱いはしない
また、以下は、今年2月24日に「3・13重税反対渋谷実行委員会」が行った渋谷税務署交渉でのやり取りです。
「3・13実行委員会:申告権を踏みにじる『法定外文書』・『税務署への呼び出し』などの強要をやめること。①収支内訳書や法人事業概況説明書の提出強要をしないこと。提出しないことを理由に不利益な扱いをしないこと。②消費税に関し、回答する義務のない文書を納税者に送付、回答の強要をしないこと。③回答のない納税者に、電話や訪問での強要や不利益な扱いをしないこと。
堀総務課長:これらの文書や『おたずね』は、税務署が必要だと判断しているものです。お出しいただいてない方に、文書または電話で提出を求めることはある。しかし、もし提出いただけないからと言って不利益な扱いをすることはありません。」
Mさんは、チェーン店が乱立する中、早朝の仕入れ、ランチと夜の営業と不眠不休で営業を続けている個人自営業者です。税務運営方針『接触に当たって無用の心理的負担をかけない』にのっとり即刻、納税者への度重なる法定外文書の提出強要はやめるべきです。
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