草の根の共同が悪い政治を追いつめている
社保協のシンポジウム「どうなる!渋谷の医療・介護」開催
11月21日夜、渋谷社会保障推進協議会(略称:社保協)がシンポジウム「どうなる!渋谷の医療・介護」を渋谷勤労福祉会館で開催しました。全体では80名、民商からは7名が参加しました。
冒頭、O社保協事務局次長が「8月1日の社保協総会以降の3ヶ月半、区保健福祉部長、区議会の福祉保健委員会での請願採択など草の根の共同が悪い政治を追いつめていることを見てとれると思います」と開会あいさつをしました。
続いて、コーディネーターのF.N社保協会長が「今日における渋谷の医療と介護の課題は何かを区議会、医療、介護、利用者それぞれ問題提起いただき会場のみなさんにも含めて話し合っていただきます」と話しました。
運動でより良い介護制度を切り開く
菅野茂・渋谷区福祉保健委員会委員長:「渋谷区の高齢者人口の推移は表1のとおりです。「1.pdf」をダウンロード
09年の高齢者人口のうち、一人暮しの方3656人①、老老世帯構成員4811人②、①+②すなわち高齢者だけで生きている数は8467人で全高齢者の22%にもなっています。こうした中で、誰にも気づかれず亡くなった「孤独死」は昨年17人、今年は5人(いずれも生活保護)でした。国は社会保障費削減方針に基づき毎年2200億円ずつ削減を進めてきました。 削減計画の一環で2006年には、要介護1の人を要支援に切り捨てる介護保険法の改悪が実施されました。渋谷区では、前年まで要介護1だった方の半数に当たる1082人が要支援2にされてしまいました。この制度改悪で「介護難民」「介護破壊」という言葉通りのことが、今、区内で起こっています。介護ベッド利用者は229人から今年3月末には48人に、181人がベッドを取り上げられました。ヘルパーの利用時間の減、回数の減も起こりました。今年9月1日現在の特養ホーム待機者は513人に上っています。
この現状をどう改善すべきか。社保協の運動などで切り開いてきたことを紹介します。①保険料の値下げ、②保険料・利用料の負担軽減、③区独自に生活援助サービス上乗せ、④地域包括支援センター8か所に職員増員・本町地域に新設、⑤特養ホーム増床・グループホーム新設などです。さらに、第4期の介護保険事業計画に住民の声を反映させることが大切です。 今後のとりくみの課題は、①保険料利用料を値上げさせない、②区の独自事業の拡充、③特養ホーム・グループホームの拡充、④介護報酬を引き上げさせ月3万円アップなど労働条件改善・事業者支援も、⑤国保負担を25%から30%に、⑥区独自の介護事業者支援を、などです。
医療と介護のネットワークを充実を
園田久子・はたがや協立診療所所長:「麻生首相から常識が不足していると指摘された医師の園田です。代々木病院から診療所がある幡ヶ谷に移り、同じ渋谷区でも地域によってまったく雰囲気が違うことを痛感しました。この街は、高齢者、生活保護、一人暮らしの割合が多いです。私の診療所では午前中外来で30人前後の患者さんを診察し、午後は往診しています。管理在宅患者63人で、月50件訪問診療をしています。狭隘道路が多く雨でも雪でも自転車で出かけ、それがトレードマークにもなっています。最近、認知症の患者さんが増加し、そのご家族も大変困っています。今、往診している方の中に80代歳台の女性がいます。日中は独居です。心不全、腰痛と貧血などで代々木病院・日赤の入退院を繰り返し、今ペースメーカーをつけて退院されました。入院中は貧血していないことから考えると自宅での食事が十分でないことに問題があると推測で来ます。彼女に大切なのは、日常きちんと食べること。ヘルパーさんに毎日入ってもらうことで解決しようと考えました。医療と介護は切り離せません。日常生活をきちんとすることで、医療も成り立ちます。在宅は、食べること、排泄など基本的なことは、人手が必要。在宅が成り立つためには、介護者が疲れないように医療機関のベッドの用意が必要。リハビリ期の医療機関も。医療と介護のネットワークを充実させることが求められています」
ヘルパーの苦労が報われるような待遇を
K.E・ヘルパー派遣会社社長:「区内4か所でヘルパー派遣事業をして8年になります。マスコミもヘルパーの労働条件は悪すぎると報道しているが、一刻の猶予もありません。当社は平均年齢40歳の正社員が11人、平均年齢55歳のパートが39人おります。区内事業者は06年に51社でしたが、08年には41社となっています。ヘルパー数も減っています。
当社のヘルパーも10%離職しました。最近、養成講座を開いても受講生が集まらない。仕事はとても魅力的だが、報酬が低すぎるんです。後継者育てていかないと支え手がいなくなります。事業者はどこでも火の車、自転車操業です。原因ははっきりしています。二度にわたって介護報酬が引き下げられ、現在は5%になってしまっているからです。身体介護は4千円ですが、生活援助は2千円に過ぎません。06年から予防給付に認定が軽くされて、要支援1・2の人は、報酬は1か月丸め。生活援助は週最大3回、最大1時間半までとされてしまいました。2千円ではとてもペイできないが、ふれあいでは、3割も生活援助あります。近隣のケアマネさんからうちの介護は技術的に高いといわれます。みな介護福祉士の資格に挑戦したり頑張っています。その苦労が報われるような待遇を要求していきます。区の制度は役に立っています」
倍に跳ね上がった後期高齢者保険料
I.K・介護サービス利用者:「もうすぐ81歳です。肺に血栓がたまり機能が60%に落ち24時間酸素を吸引しています。介護保険は自分が要支援1、家内が要介護1です。いわゆる老老介護ということになります。介護サービスはヘルパーに掃除などの生活援助を頼んでいます。若干渋谷区の補助もついています。無年金なのでいまも頑張って働いています。所得は200万を割っている。平成19年は国保料が7万5千160円。ところが19年より所得が下がった20年の後期高齢者保険料は16万6千円と倍以上あがりました。政府は、ほとんどの高齢者の保険料は下がると宣伝したが、知る限り下がった高齢者はいません。それには理由があります。国税でも地方税でも税額を決める上では社会保険料控除だとか生命保険料控除あるいは扶養控除などの所得控除を差し引いて課税標準を算出しています。ところが後期高齢者保険料は違う。課税標準算出にあたって住民税の基礎控除33万円しか差し引かない。だから高くなる必然性があるんです。生きていくために必要なところまで保険料や税金を取っていく。80~85歳にもなると医療保険料が払えなくなるが、国保のように事情を聞くこともなく、保険証を取り上げる制度は許せません」。
フロアからも代々木病院の井上・中澤両医師、君波看護師、土建のHさん、はたがや介護相談ステーション石垣ケアマネ、代々木健康友の会の柴崎さん・田中さん、田中正也・都議予定候補から医療・介護の解決すべき課題が次々と訴えられました。最後にF.N会長から区民の中に大いに発信していこうと力強いまとめがあり、O事務局次長の行動提起を受け閉会しました。
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